第6章 vi
家への帰り道、燭台切さんの過ごし方を聞かせてくれた。私を見送ったあと、公園に行って木刀で素振りをして、帰ってきてから置いていったお金で食料の買い出しに出て、夕飯の下ごしらえをしてから午後はタブレットを使って色々調べたり動画を見たりしていたと教えてもらう。
そんなこんなで家に着くと、ラップをかけられたご飯がテーブルに乗っていた。
「温め直すから少し待っててね」
彼はそう言って電子レンジにご飯を入れて、私は部屋着に着替える。
そしてテーブルに置かれたご飯を一緒に食べた。今日は洋食ですごく美味しかった。
私なんて絶対に面倒くさがって作らないようなものだったから、まさか一人暮らしのこの部屋で凝ったご飯を食べるなんて思ってもみなくて、燭台切さんに思ったことを伝えたらすごく喜んでくれたのが目に焼き付く。
お世話になりっぱなしだけど、ついつい甘えてしまう自分が少し不甲斐ないなと思う。
「心海ちゃん、髪乾かさないと風邪ひくよ」
お風呂も入って寛いでいると、彼もお風呂から出たのか私を見るなりそう言った。
「乾かすのが面倒臭いんですよね…髪切っちゃおうかな」
「綺麗な髪なんだからもったいないよ。心海ちゃんはその髪型が似合ってるのに」
「そうですかね?乾かします」
私は満更でもない顔でそう返し、ドライヤーを持って乾かし始めた。