第5章 ⅴ
翌日、木刀が家に届いた。
なんだかんだ2人で遅く起きてしまった為に、朝兼昼ごはんを食べ、部屋でテレビを見ながら寛いで夕方くらいになって、近くの公園に木刀を持って出かけた。
広いところなんて公園しかないし、公園と言ってもこじんまりとしたところだから、ちびっこ達も夕方となれば帰るだろうという憶測によって彼の邪魔が入らないように私なりに配慮をした。
彼は木刀を取り出していて手触りを見ながら振るい始めた。
私は近くのベンチに座ってその様子を見ていた。
時代劇で見るような立ち振る舞いに本当に刀を振るっていたんだと思う。それはとてもかっこよかった。
でもなんで刀の神様が刀を振るわなければならないのかはわからず、それも本人に聞くことは出来ない。たぶんこれまでの話の中で一切そういうことを言ってなかった、もしくはこの先も言いたくないのだろうと私は察した。
だから私は何も聞かずに彼のサポートをしていけたらいいと思った。
まだ2日しか経っていないし、出会いは最悪だったのに何故か燭台切さんは既に私の生活の一部になっている
もし彼が帰るってなった時に笑顔で見送れるだろうか?泣いて行かないでと言ってしまうかもしれない。
仲間も主も心配してるだろう、困らせるのは良くないのに。
たった2日、それだけの期間なのになんでこんなに燭台切さんのことを想っているんだろう。