第4章 ⅳ
次に目を覚ましたら目の前に燭台切さんは居なかった。不安になって見回すとキッチンで何かをしていた。
しばらくぼーっと寝起きのまま燭台切さんを見ていると視線に気づいたのか目が合う。
「あ、起きた?勝手にキッチン借りてごめん」
「謝らなくていいです。ここは燭台切さんの家でもあるんですから。本丸にいた時みたいに暮らしてください」
「ありがとう」
そして私は手伝いに行った。いくらなんでもずっと任せっきりだと申し訳ない。
「燭台切さんは刀の付喪神なんですよね?刀振りたいですよね?」
「…出来ればそうだね。でもこの時代って刀を持つには証明みたいなのいるんでしょ?銃刀法違反だっけ?そういうのもあるんだよね」
神様なのに詳しいだとは思わなかった。
「…まぁそうなんですけど、木刀なら手に入ります」
「そうなの?ならやりたいかな…」
私は頷いて、ネットで木刀を購入した。私ができることならこの人に尽くしていこうと思った。
「今頼んだので、明日には届くと思います」
「何から何までありがとう」
そんな話をしているうちに、料理も出来上がる。