第12章 インポ*
非情にまずい。
おさまれ俺の分身。
引っ込んでくれ俺の噴火山。
修羅場っていうのはこういうことを言うんだろう。
嫁と愛人(百之助)に挟まれ、身動きが取れなくなってしまった俺の身体は石のように固くなる。
まず、百之助を先に風呂からあがらせる。
俺はこの股間をすずに見られてはならない。
この使命を完遂すれば無事にコトが終えることができる。
よし・・・・っ!
すると俺の様子をおかしく思ったのか、すずは首を傾げながら股間の方に目をやっている。
【すず】
今更なに恥ずかしがっているのよ。貴方の萎えたものなんて見飽きてるわ。
【慶次】
あんまりジロジロ見られると恥ずかしいんだよ。良いだろ、別に隠してたって・・・・。
【すず】
この前はそんな素振りなかったのにね。二人で悪いことでもしてたの?
【慶次】
(ギクッ・・・・!)
すずも廉一並の洞察力をもっているのか。
それとも俺が隠すのが下手くそなのか?
百之助と出会うまでは淡泊に過ごせていたのに、百之助のことになると熱くなるから俺はどこか変わってしまって・・・・。
そうか!
百之助にされると立つ。
一人で百之助を想像したら立つ。
けれど他の奴とやりながら想像したら勃たなかった。
他の奴と触ったら勃たなくなる・・・・?
【慶次】
(・・・・これだッ──)
【すず】
え、・・・・・・・・んんっ、ふぁ・・・・んっ・・・・。
百之助が横にいることは知っているが、俺はとにかく自分を鎮めるためにすずの唇をむりやり奪った。