第10章 家風呂*
全身が絡み合うようないやらしい音を響かせ、細かい息遣いを刻む。
下で組み敷かれている百之助は苦しそうでもなく、痛そうでもない、感じそうになると下唇を噛んでしまい、その唇の割れ目に舌をねじ込む。
【百之助】
んっ、・・・・ぅうん・・・・っ。
【慶次】
・・・・唇、噛む、なって。痕、残る。
【百之助】
アンタが、両腕、掴ん、でるからだろ。腕、噛まな、いから、タオル噛、ませろ・・・・っ。
【慶次】
もう、イキそうか?
【百之助】
まだ、イってたまるかよっ・・・・ッく。
【慶次】
そう言ってる割には、キツ、そうだな。
【百之助】
ッ・・・・耳元でしゃ、べんなっ。
無表情を壊すように色めいた顔を浮かべ、必死に喘ぎ声を押さえている百之助。
ほしい、もっとほしい、もっと俺だけの百之助が見たい。
浅いところを何度も早く擦り上げていると、涎が出そうな顔で求めてきた。
【百之助】
ァ・・・・くっ、・・・・ぉく・・・・、奥、突いてっ・・・・。
切なそうな声を垂らし、その声を塞ぐようにタオルを口に噛ませる。
その声を誰よりも聞きたいのに塞がなきゃならない。
この関係を続けるために。
この関係を守るために。
両腰を掴み上げると、それに応えるように何度も叩きつけるように腰をパンパンと打ち鳴らす。
【百之助】
ん゛っ・・・・ンぐっ、んっ、んん・・・・っ。
身体だけじゃなく心も繋がっていたい。
俺には百之助を手放すという選択肢はない。
だから、いずれは・・・・。
【慶次】
百之助・・・・、いつか認められよう。俺とお前が、この先もずっと暮らしていけるようにッ・・・・──
心と肉体から全てを解き放ったように、全身がふわりと軽くなる。
埋もれた体温を抱いていると生きていることを実感し、本当にそれが叶ったとき、誰よりも愛した人と一緒に幸せに満ちた笑顔になれるだろうと信じて。