第10章 家風呂*
先っぽだけだけど、はじめて百之助と繋がることができた。
繋がることはできたけど、気持ち良すぎて動けない。
【慶次】
百之助、・・・・好き。
【百之助】
あ?
百之助の内側がピクリと反応する。
俺の言葉一つでこんなに反応してくれているのかと思うと嬉しくなる。
【慶次】
百之助・・・・、かわいい。
【百之助】
・・・・。
また内側がピクリと反応する。
繋がっているからこそ、百之助の気持ちが伝わってくるようで心が幸福で満たされる。イキそうになるのを堪えながら、愛の言葉を紡ぐ。
支えていた腰から脇腹辺りを撫でると、また内側がピクリと反応する。
脇腹から胸の突起まで上がっていくと、また内側がピクリと反応する。
百之助は俺に感じてくれている。
【慶次】
百之助、きれいだ。かわいい・・・・。
【百之助】
・・・・アンタ、それくらいにしねえと使わせてやらんぞ。
そう言ってまたピクリと反応する。
こんなに物欲しそうに動いているのに、百之助はなんて強がりな子なんだ。可愛すぎる。むちゃくちゃにしたい。
大きく股を広げて横たわる百之助。
全身の力を抜くように呼吸している。
下半身に送られている熱っぽい視線。
わずかに潤んだように皺を寄せている。
水滴の落ちる真っ白い肌。
そこに浮かぶ無数に散らばった赤い痕。
線のきれいな培われた胴体。
骨ばったしっかりした手足。
どれもが神秘的で美しい。
【慶次】
百之助と出会えてよかった。
【百之助】
はっ、今更口説いてるつもりか?手足はもう出ちまってるのに。
【慶次】
今更でも何でも、俺はお前と出会えてよかったと思ってる。こんなに人を愛せることが素晴らしいことだと分かった。お前もそう思わないか?
【百之助】
さあね・・・・。アンタがそう思うんなら、きっとそういうことなんだろうな。
【慶次】
・・・・・・・・愛してる。
何百回いっても足らない言葉。
少しでも気持ちが伝わるように何度も口づけを落としながら、ゆっくりと一つに繋がっていく。
時折くぐもった声を漏らし、俺の背中に爪が食い込んだ。