第6章 首輪*
【慶次】
──はぁ、はぁ、はぁ・・・・。
動悸が止まらない。
息が苦しい。
激しい運動はしていないのに呼吸と脈拍は上がり続ける。
小さな体を腕の中に閉じ込めて、股の間に手を差し込む。
すっかり棹は固くなっていて、先走りも出ている。
耳元でこんなに鼻息を荒くして、百之助になんて思われるんだろう。
今度こそ本当に相手にされなくなるんじゃないか?
でも、誘ったのは百之助の方だ。
百之助もその気があったから俺を誘った。
俺に触られたいと。
俺に弄ってほしいと。
俺に奥まで入ってきてほしいと。
【慶次】
もうこんなに先走りが出てる。いやらしいな、百之助は。
【百之助】
ぁ・・・・・・・・んっ。
まだ喘ぎ方も知らない百之助は、無造作に声を押さえたようにあげる。
まだ未知数の開発されていない身体。
今でもいやらしいのに、その身体に教えていったら一体どうなってしまうのだろう。
ココだけじゃなくて、上のところも、内側もほじくられて、もっと我慢できないほどの声をあげて。
そうなってしまったら、俺だけじゃ物足りなくなるんじゃないか?
それは絶対に嫌だ。
俺以外の奴に抱かせたくない。
俺以外の奴を性欲対象として見られたくない。
そもそもなんで男相手にこんなに必死になってるんだ?
女じゃ無理だと分かったから?
百之助で初めて立ったからか?
本当にこれがただの欲情だけなのか?
欲情だけで、愛しさも切なさも全部無しになっちまうのか?
・・・・そういえば、兄貴は夢中になるほどの恋をしている。
これも恋ってやつか?
人を好きになる。
異性を好きになる。
同性を好きになる。
俺には異性と同性の境がないのかもしれない。