第4章 風呂屋*
行きつけの風呂屋につくと、百之助はぱっぱと服を脱ぎ、脱いだものをしっかり畳んで、弾力がありそうな小さなお尻は俺を待たずに洗い場の方へ行ってしまう。
【慶次】
(は、はやい・・・・)ま、まって。あいてっ。
慌てて袴を脱いでいると、裾が絡まって荷棚に頭をぶつける。しっかり服を畳んだ後、手ぬぐいを持って洗い場に行くと百之助は扉の前で立ち尽くしていた。
【慶次】
ん?どうしたんだ?好きなところに座っていいんだぞ。
初めてきたところで困っているのだろうか。
声を掛けてやると俺のことを待っていたのか、おもむろに指を掴んで、誰も座っていないところに誘導してくる。
【慶次】
(か、かわいい・・・・)
その幼気な可愛さに胸を打たれつつ、かけ湯をしてから椅子に腰を掛ける。
腰の上にはタオルを乗せ、股のあいだには百之助が背中を向けて座っている。普段どおり身体を洗い、背中を洗いっこしたりして、頭の上からお湯をかけてやる。
【慶次】
お湯かけるぞ~。
【百之助】
ん。
お湯が入らないように両耳を押さえ、大きな目を瞑る。しぼった顔を拭いてやるとスッキリしたような顔をして上目遣いを向けられる。
【慶次】
ん?どうかしたのか?
【百之助】
ありがとう。
【慶次】
(わ、笑った・・・・!!)お、おぉう。
初めて微笑まれて、反応に困ってヘンにうわずった声が出てしまう。
できるだけ意識しないようにしていたが、百之助の肌は子供らしくきめ細やかな肌をしている。おまけに俺より白い。柔らかく弾力もあって、ぷにぷにしてて、ちょっと触ったけどいつまでもその素肌に触っていたい気分にさせられる。