覚えているのは、好きだったってこと。【気象系BL小説】
第3章 雅紀の恋人
「誰だ、あんた」
「あなたこそ誰ですか?
翔くんから手を離して下さい!」
翼くんは俺を守るように俺と男の間に立つ
それでも、男は俺の腕を離す気は無さそうだ
「…大丈夫だよ、翼くん」
「え?」
「久し振りだね、潤くん」
「…何だ、忘れられてるのかと思った
半年ぶりだね、翔くん」
にこっと眩しい笑顔を見せるとあっさり俺の腕を離した男、もとい潤くん
「何してたの、ここで
雅紀から聞いてた?」
「ううん、偶然
こっちに来てるのも知らなかったし」
「はぁ?今日ご飯行こうとか言ってたのに…
またサプライズにしようとしてたのか、アイツ」
潤くんがはぁぁ、と深い溜息をついていると後ろから潤くんを呼ぶ声が聞こえた
声の方を見るとスーツを着た数人の外国人とカメラなどの機材を抱える日本人の撮影スタッフ、そしておそらく潤くんを呼んだと思われる背の高い金髪の外国人の男性がいた
さらにその周りには先程まで撮影隊を囲んでいたたくさんの人たちがこちらを見ていた
そこでやっと潤くんの仕事内容を思い出し、潤くんを呼んだ男性が海外タレントだということに気付いた
「Hey,Jun! What happened?」
「I'm sorry,alright!
There was an acquaintance.」
潤くんの言葉を聞いたそのタレントは興味深そうに俺を見つめてきたがすぐに撮影隊と話し始める
そして潤くんに向かって手招きをしてきた
「呼ばれちゃった、ごめん」
「ううん、仕事中なんだから早く戻って?」