覚えているのは、好きだったってこと。【気象系BL小説】
第3章 雅紀の恋人
「そういえばお昼に会ったのって誰?
翔くんとすごい仲良さそうだったけど…」
潤くんの希望で和食屋さんで夕飯にする事になった
潤くんは変に日本に憧れている所がある
和食もそうだけど、富士山とか京都とかも好きみたい
顔はどっちかと言えば外人っぽいけど(笑)
「あの人は翼くんっていって会社に勤めてた時の同僚だよ
俺の事心配して雅紀と一緒に面倒見てくれてるの」
「ふぅん…ただの友達?」
「?うん、友達だよ」
俺の返事にイマイチ納得出来てないような顔をする潤くん
「どうしたの、潤
翼くんに何かされた?」
「いや…ただ何で俺に話してくれなかったのかな、って」
潤くんは少し拗ねたように俺と雅紀をちらりと見てご飯を口に運ぶ
その様子が年下っぽくて可愛かったからくすりと笑うと鋭い目付きで睨まれた
「ごめんね、潤くんと会うこと自体少なかったから機会が無くて
今度4人でご飯食べよ?」
俺がそう言うとぱぁっと顔が明るくなる
そんな潤くんを愛おしそうに見つめる雅紀
翼くんが同性愛者に対する偏見があるかどうかは知らないけど、きっとこの2人を見たら大丈夫だと思う
目の前の親友2人とさっきまで一緒にいた親友がどんな会話をするのか考えて、緩む頬をそのままにグラスに入っている日本酒を飲み干した