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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第24章 From Bottom of My Heart





「ありがとう」

不意打ちの言葉に、顔を上げたサクラの瞳が大きく開く。

兵士長がなぜ自分に礼を言ったのか分からないのだろう。
どうしたのですか? と微笑みながら首を傾げる。

そんなサクラに感謝を口にした理由を語らず、リヴァイは泥だらけの我が手に目を落とした。


調査兵団兵舎の中庭。

一つの季節が終わり、新たな季節を迎えようとしている。
そんな穏やかな、ある日の午後。

柔らかな太陽の光を浴びながら、リヴァイとサクラは花壇の手入れをしていた。


最初は、バケツで水を汲んでくることから始まった。
次にその水を花に与えるようになった。

中庭に花壇があることすら知らなかったリヴァイが、気づけばサクラの手伝いをするようになっていた。

多忙な団長と行動を共にすることが多い、兵士長。
一般兵士と過ごすことのできる時間は限られている。

時間の許す限り、彼女と一緒にいたい。

執務室の窓から望むことができる花壇にサクラの姿を見かけるたび、リヴァイの足はそこへ向かっていた。
サクラが花の世話をしている、ほんの僅かな時間をともに過ごす。

それはリヴァイにとって、何よりも心休まる時だった。


「他人からすれば、くだらないことかもしれん」


芽が出れば水をやり、花が咲けば愛でる。
ただ、それだけ。







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