【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第23章 My Love Blooms for You
あと少しで月も隠れ、もっとも静かな時間が訪れるだろう。
夜明けまで一緒に眠ろう、サクラ。
最後に伝えておきたい。
「いつか完全に人間の心を失って化け物になり果てようと、俺は忘れないだろう」
お前が愛した世界の美しさを。
お前のいない世界の美しさを。
お前に出会て・・・本当に良かった。
「サクラ、俺はお前の全てを愛してる」
この先もずっと───
亡き人への言葉は届いたのだろうか。
すると、木々の間から愛しい笑い声が聞こえてくるような気がした。
「兵長のお顔が桜色です」
その言葉に、リヴァイの口元に笑みが浮かぶ。
「ああ。俺はお前の悪戯が好きだった」
アッカーマン家の生き残りであり、壁内人類の希望。
この先どのような運命と悲劇が待ち受けていようとも、リヴァイはこの景色を忘れないだろう。
それは、彼にとって大切な記憶であり、彼のために蘇り咲くサクラの愛。
リヴァイ兵長、愛しています───
悠久の桜は、眠るリヴァイの上でその美しさを誇っていた。
番外編『 My Love Blooms for You 』Fin.