【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「サクラ・・・待っていてくれてありがとう・・・」
前世の記憶が蘇り、胸を埋め尽くす愛情。
「愛している・・・もう離さない・・・」
二度とお前を一人にはしない。
時は巡る。
時代も、世界も変わる。
しかし、花の美しさは変わらない。
共に命を懸けた絆も、交わした愛情も変わらない。
寄り添う二人を優しい目で見守る、かつての同志。
「ハンジさん・・・知ってたんですか?」
エレンの目には涙が溢れていた。
その胸には、ラベンダーを歌った優しい子守唄を思い出している。
もう二度と聴くことはないと思っていた。
「オレ・・・全部思い出しました」
その記憶の中には、つらいものもあるのだろう。
ミカサとアルミンが、頰を濡らすエレンの肩を支える。
二人にも記憶が戻っているようだった。
「私は徐々に思い出していったんだよ・・・エルヴィンはそれよりもずっと前からね」
きっと、ハンジとエルヴィンは自責の念から早々に呼び起こしたのだろう。
しかし、桜の咲く景色がこれほどまでに美しいものだったとは・・・
「私・・・今、とても幸せです」
サクラはリヴァイの腕の中で、満開の桜を見上げた。
エレンの隣には、ミカサ。
リヴァイの隣には、自分。
そして、アルミン、ハンジ、エルヴィン・・・
一緒にこの景色を見ることができたら、どんなに幸せだろうと思っていた。
桜は一輪の花が咲いてから散るまで、僅かな時間しかない。
しかし、大地の命が蘇る春を象徴する花。
前世の想いを蘇らせ、何度でも咲かせよう。
「愛している、サクラ」
この美しい世界で・・・
「ずっと、一緒だ・・・」
永遠の愛を誓い、サクラとリヴァイはそっと口付けを交わした。
第20章 『 Until We Meet Again... 』 Fin.