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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第4章 Geranium




その夜。


リヴァイはまた一人、不毛の大地に立っていた。


水も、木も、風も、暖かな日差しも無い。
あるのは石と、枯れた草だけ。


裸足で枯れ草を踏みしめながら歩く。
どこまで行っても、まるでループのごとく同じ景色が続いているだけ・・・


そう思っていた。


どれくらい歩いただろう、急に足が止まる。


ふわりと優しい風が頬を撫で、自然と空を仰いだ。


一筋の光が、天から差す。
その先を見た瞬間、リヴァイの瞳が広がった。


そこには、一輪の花。


淡い桃色の花弁に、みずみずしい緑の葉。
命の息吹があった。

とても小さな存在で、
触れたら、今にも壊れてしまいそうで・・・

しかし、凛とした強さがあった。


この世界は荒涼の地。

孤独で、息苦しくて、自由がない。


それでも変わりつつある。
いや、ようやく・・・だ。


“感情はどこ・・・?私に触れることはできる?”


お前は、触れてくれるのか。
この世界を変えてくれるのか。



リヴァイは、そっと静かに目を閉じた。




第4章 『 Geranium 』 Fin.

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