【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
サクラが訓練兵団に到着すると、太陽はすでにその姿を消していた。
ウォール・ローゼ南部の人里離れた山にある兵舎。
簡素な木造の建物に、広い訓練場。
立体機動装置の操縦や斬撃の練習を行う裏山。
厳しい訓練の日々を思い出すと今でも吐き気を催すが、どれも懐かしい。
調査兵団に入った今でも訓練は欠かさないが、あの頃は“脱落して生産者に回されるかもしれない”という恐怖があり、毎日気持ちを張り詰めていた。
実際、自分は能力的に他の兵士より秀でた点が無く、足手まといにならないよう必死だった。
それなのに・・・
今はこうして調査兵団のエンブレムを背負うことができる。
尊敬してやまないエルヴィン団長の力になることができる。
「でも、全てはここから始まったんだ」
最近色々とあって忘れていた初心を、ここで取り戻そう。
エレン達の懐かしい顔を見れば、新しい気持ちで次の壁外調査に臨めるような気がする。
まずは長旅を終えたシェリーを馬小屋に連れて行く。
そして、そのまま恩師キース・シャーディス教官の所へ挨拶をするために向かった。