【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第18章 Till Death Do Us Part ※
「まさかな・・・」
あのガキは今、どうしているだろう。
どこかで生きていればいいと思う。
「兵長・・・?」
「いや、なんでもない」
不思議そうな顔をしているサクラの頬を撫でる。
その温もりに目を細めながら、他愛のない質問をしてきた。
「兵長は・・・男の子と女の子、どちらがいいですか?」
「ずいぶんとまた、気の早い話だが」
「参考までに」
といっても、産み分けることができるのか?
疑問に思いながらもに律儀に答える。
「別に・・・男でも、女でもどっちでもいい。一番大事なことを守ってくれればな」
「大事なこと?」
「お前が、ガキを産んでる最中に死なねぇってことだ」
体が弱かったり、胎児の状態によっては分娩中に命を落とす女性も珍しくない。
もしサクラを失うのなら、子どもなどいらない。
男の勝手な我儘なのかもしれないが・・・
「はい・・・分かりました。赤ちゃんを抱っこしている兵長を見てみたいですしね」
それでもサクラは受け止めてくれる。
この笑顔さえあれば、本当に何もいらないと思える。
子どもがいてもいなくても、きっと幸せに生きていける。
「サクラ、ローゼに戻ったらすぐに部屋を替えてもらおう」
「エルヴィン団長のお隣にですか?」
「ああ。もう一日も離れていたくない」
「変な兵長。今だって同じ兵舎で生活しているというのに」
クスクス笑うサクラの顔を見て、どうしてこんなにも焦る気持ちになるのだろう。
自分でも情けないほど、サクラを離したくないという欲求が強い。
「兵長とずっと一緒にいられるの、すごく嬉しいです」
「ああ・・・俺もだ」
ずっと一緒にいよう。
幸せな時も、
困難な時も、
健やかなる時も、
病める時も。
サクラ。
お前がいるから、この世界は美しい。
俺は、これを守るためなら何でもしよう。
心から、愛している。