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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第1章 Never Despair



「君たちの入団を歓迎する」

調査兵団への入団式で、エルヴィンは優雅に微笑みながら言った。
第102期訓練兵団の中からは43名の新兵が志願した。

この中の何人が、生き残ることができるのだろう。
そんな不安が新兵たちの思考を埋める中、サクラは別のことに気を取られていた。

それは、団長の一歩後ろに立っている人物。
女性・・・いや、男性か。

体つきは小柄で、華奢だから女性のように見えるが、髪型や顔立ちは男性だ。

彼のことは、以前から気になっていた。
サクラが知る限り、いつも団長と行動を共にしている。
あの、入団勧誘の演説をした日も後ろに控えていた。

今日も団長のそばで腕を組み、つまらなそうに視線を遠くに向けている。

・・・まるで、飢えた狼みたいな人。

それがサクラにとって、彼の第一印象だった。

「リヴァイ、お前からも何かあるか?」

その瞬間、新兵がざわついた。

あれが・・・リヴァイ兵長!
人類最強の兵士。

「あれが・・・リヴァイ・・・兵長?」
「意外だな・・・」

姿形は、まるで少年のようだ。
しかし、その実力は一人で兵士4000人分に相当するとのこと。

その場にいた多くの者は落胆したような表情をしていた。
でもサクラは違った。

あの、スミス団長が最も信頼を寄せる人。
なのに、あの冷たさはなんだろう。
団長とは違う、独特の冷徹さを感じる。

「別に、俺からは特にない」
「そんなわけはないだろう、リヴァイ。この中にお前の班に入る者がいるかもしれないのだから」
「だとしたら、言っておくことはある」

眉間にシワを寄せながら、うざったそうに新兵を睨む。

「足を引っ張るような奴は俺の班に入るな。さっさと巨人のクソにでもなってろ」

その瞬間、そこに居た者は皆凍りついた。

しかし、ただ一人、エルヴィンだけは何事もなかったかのように気品のある笑みを浮かべている。

「では、明日より各自が所属する班を発表する。本日はこれにて解散!」


新兵達は一斉に、新たな上官に向かって敬礼した。
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