【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第14章 Blow-job and Heart-job ※
第48回壁外調査で負った、右足のアキレス腱断裂、肋骨のヒビ。
全治3か月と診断を受けた。
それからというもの、ギプスとコルセットで身を固め、訓練も壁外調査も参加できない日々。
さすがにストレスが溜まるし、何よりも体を動かせない事が辛かった。
「オイ、何してる」
「ひっ!」
コルセットを外し、外でこっそりと鍛錬をしようとしていたサクラの背後から低い声が聞こえ、心臓が飛び出そうになる。
恐る恐る振り返ると、威圧的な兵士長が腕を組んで立っていた。
「その格好はなんだ」
鍛錬着に身を包むサクラのつま先から顔まで視線を滑らせ、眉間にシワを寄せる。
「あの・・・もう2か月半も体を動かしていないので、少しだけ筋肉を取り戻そうと・・・」
「駄目だ」
リヴァイは厳しい剣幕でサクラを睨みつけ、兵舎に戻るよう指差した。
「昼飯の後、医務室に行ってただろ・・・こんなこったろうと思ったぜ、医師は何て言ってた?」
「・・・完治したのでもう鍛錬を再開して良い、と」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
スーッと目が据わっていく兵士長に、思わず恐怖を覚えた。
明らかに怒っている。
「す・・・すいません、嘘をつきました。治りかけでもむやみに動くな、と・・・」
「俺もそういう風に聞いてる」
リヴァイは小さくため息を吐くと、サクラの頬を撫でた。