【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第11章 Hiss And Kiss ※
「サクラ、もう今日はお前に手を出さない。だから安心して寝ていい」
「兵長の腕の中で、不安になったことなんかありませんよ」
「・・・・・・そうか・・・」
俺は不安だがな。
リヴァイは月明かりの中で、そっと目を閉じるサクラを見つめた。
今はこうして腕の中にいるが、朝になればお互いに兵士へと戻る。
そして、サクラは顔も知らない人間達の未来を守るため、その心臓を捧げる。
お前の心臓を犠牲にして、家畜のように生き延びる人類を・・・
俺はその先も守っていくことができるだろうか。
リヴァイは眠るサクラの胸元に唇を寄せた。
どうか・・・夜の帳が下りている間だけでいい・・・
その心臓を俺のためだけに鼓動させてくれ。
「死ぬなよ・・・」
静かに脈打つその場所にキスをする。
そしてリヴァイもまた、ゆっくりと目を閉じた。
第11章 『 Hiss And Kiss 』 Fin.