【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第8章 Beneath A Gentle Shower ※
「てめぇ・・・何か余計な心配してんじゃねぇだろうな」
「そりゃしているよ。サクラの身に何かあったらどうしようって」
するとリヴァイは瞬きをして、首を傾げた。
「だいじょうぶだ。何があっても俺が守る」
「リヴァイ・・・」
「もちろん、あいつのためってのもあるが・・・」
ハンジ、あいつはお前の大事な部下だろう?
だったら、お前のためにも犬死はさせない。
「お前がサクラに執着しているのは知ってる。それが何故かは分からんがな」
ハンジの肩に手を置いて力強く言ったリヴァイに、ハンジは笑みを浮かべた。
「リヴァイ・・・本っ当に変わったね」
「だから、さっきからなんなんだそれは」
「ふふふ・・・」
・・・サクラ、貴方は本当にすごい子だよ。
私が何年かけても変えられなかったものを、いとも簡単に変えてしまった。
ありがとう。
もう少しだ・・・もう少しでリヴァイを解放してやれる。
ハンジは両手の錘を見た。
こんなに自分を追い込んで・・・
こんなに強さを追求して・・・
でも、それはリヴァイ自らが望んでそうしているのではない。
本人ですらそのことに気がついていないのだから、誰かが解放してやらないと・・・
いつか壊れてしまう。
人並み外れた強さを持っていても、リヴァイは人間なのだから・・・
ねぇ、リヴァイ。
君の笑顔を見ることができる日は来るのかな?
君の涙を受け止めてやれる日は来るのかな?
私は君の友人として、いつかその日が訪れることを祈っている。
憎しみと怒りにまみれたドブの中で生きるリヴァイ。
慈悲と優しさに溢れながら、一歩間違えれば闇に囚われかねない危うさを持つサクラ。
二人はお互いを求め始めている。
きっとサクラの純粋さが、様々なものを見てきたせいで閉塞されたリヴァイの世界を明るく照らしてくれる。
そう信じて・・・
「リヴァイがこの無謀とも言える遠征を強行したのは・・・すべてはサクラ、貴方のためなんだよ」
翌日、ハンジはサクラにそう伝えて、リヴァイのもとへと送り出した。
おまけ 〜その3〜 おわり。