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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第2章 Light Behind the Clouds



「おい」

突然、低く、抑揚の無い声がハンジとサクラの後ろから聞こえ、振り返る。
そこには、威圧的なリヴァイの姿があった。

「ハンジ、エルヴィンが呼んでる」
「えー、まだ着いたばかりだというのに」
「・・・お前の好きな話だ、早くしろ」
「えっ!ていうことは、“捕獲作戦”かな!こうしちゃいられない!!サクラ、また後でね」
ハンジは目を輝かせながら、エルヴィンの元へとすっ飛んでいってしまった。

その様子を見ていたリヴァイは、面倒臭そうにため息を一つ吐いた。
そして、サクラをちらりと見ると、すぐにシェリーへと目をやる。

「そいつは・・・」

「は!自分に与えられた馬であります」

サクラは慌てて敬礼をした。
しかし、リヴァイは顔をしかめただけで、サクラの敬礼を気にもとめない。
視線はシェリーに向けられたままだ。

「ハンジが連れてきたのか?」
「さようであります!」
「・・・・・・・・・」

リヴァイは黙ったまま、右手の甲でシェリーの鼻を撫でる。
シェリーは安心しきった様子で、気持ち良さそうに目を閉じた。

しかし、それもほんの一瞬の出来事。

リヴァイはシェリーから離れると、サクラには目もくれず外套を翻して去って行った。

「リヴァイ・・・兵長・・・」

馬がお好きなのだろうか・・・?

そんなリヴァイの後ろ姿を目で追っていたのは、サクラだけではなかった。
シェリーもまた、無愛想で粗暴な兵士長の後ろ姿を静かに見つめていた。


『 Light Behind the Clouds 』 Fin.
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