第25章 不思議の国のモンダイジ!(アリス ノーマルEND)
【選択肢】
♡中庭
♠︎保健室
♢屋上
→♣︎教室へ戻る
* * *
シロの悲しげな表情が頭から離れず、私は大きくため息を吐く。
この状態ではサボろうにもサボれない。
そうして、私は観念して教室へ戻った。
「アリスちゃん、どうしたの?」
「体育でしょ。受けることにした」
「ホント!? やったぁ!」
満面の笑みで喜ぶシロ。
こういう顔を見ると、「たまにはいいかな」という気分になったのだった。
* * *
「祢津が倒れた!」
「寝たのか!?」
「くそっ、『眠りネズミ』のヤツ、気持ちのいい顔しやがって!」
「残念だ。クラス委員長として、今日こそ丸一日授業を受けさせるつもりだったのに」
隣のクラスの前に人だかりができている。どうやらその中心にいるのは祢津 未波のようだ。
「待て、まだ手はある。コレだ!!」
「そ、それは……」
「そうだ。祢津の愛してやまない、『魔法少女ミラクル☆アリサ』のカード。しかもプレミア付きだ」
「ま、まさか!! それをどうやって……」
「兄貴の『布教用』のカードだ。土下座してもらってきた」
「そういえば、お前の兄さんも祢津と同じ美少女アニメのオタクだったな」
「君……なぜそんなことを……」
「委員長との友情のためなら、いくらでも恥を捨てるさ……」
「くっ、ありがとう! 君は……いや、君たちは僕の最高の友だ!!」
「「「委員長!!」」」
何の茶番だコレは?
周りをよく見ろ、お前たちのクラスの女子は引いているぞ。
「今日の体育、隣のクラスとの合同授業だけど、あのままじゃ遅れちゃうよ?」
「放っておけばいいのよ」
彼らが遅れたところで、私たちに火の粉は降りかからない。
むしろ、遅れることで授業が押してくれたら儲けものである。
私たちは彼らを無視して更衣室へ向かった。
* * *