第19章 魔法少女ミラクル☆アリサ(眠りネズミ友情END)
「まずは変身から! 変身アイテム『ミラクルパクト』を構えて、変身の呪文『アリサ☆ミラクル☆チェンジ』!!」
止めろ!
私は他人のフリをしてこのまま帰りたかったが、祢津の力が強くて振りほどけない。
しかし、握りしめられた手が痛いというわけでもなく。
どんな握り方をしているんだ。
「決めポーズはこう! 肩幅に広げた足をしっかりと地面につけて、天高く手を掲げる。次にこうして、左手はここ! 右手の角度はこう!! で、決めゼリフが……」
玄関から校門に続く道の真ん中で、キリッとした表情で祢津が叫んだ。
「『花開く奇跡! ミラクル☆アリサ』!!」
あぁ、やってしまった。
祢津の叫びに、下校する生徒たちの注目が集まる。
絶対同類だと思われた。
明日からどんな顔をして学校に来たらいいんだ。
「必殺技は『アリサ☆ミラクル☆スマイル』!!」
アリサの奇跡の笑顔!?
いったい、どんな笑顔だ!?
彼の話すアリサに呆れてため息を吐きながら、私は祢津と共に校門を出たのだった。
【魔法少女ミラクル☆アリサ/眠りネズミ友情END】