第19章 魔法少女ミラクル☆アリサ(眠りネズミ友情END)
「アリサ、今帰り?」
「アリスだから。今帰り」
私が下駄箱へ行くと、そこには祢津がいた。
「あ、チュー助さん!」
私のカバンについたチュー助(さん)を目ざとく見つけ、祢津は顔を綻ばせる。
「アリサもチュー助さんのこと気に入ったの?」
面倒な展開になってきた。
「別に気に入ったわけじゃ……」
カバンに何もつけていなかったから何となくつけたのだが、祢津の勢いに言うタイミングを逃した。
「そうだ、アリサ。この後、用事ある?」
「別にないけど……」
祢津は普段ぼんやりしているくせに、好きな話題を振ると、収拾がつかないほどテンションが上がる。
「実はオレ、この後、アニマートに行くんだ。アリサも一緒に行こう」
アニマート? 初めて聞いた。
祢津にこのテンションから、彼の趣味の店なのだろうとすぐに察することができた。
「行かないから。興味ないし」
「大丈夫大丈夫。アリサもきっと気に入るよ」
何を根拠に言っているんだ。
だが、私の思いとは裏腹に、祢津は靴を履き替えた私の手をギュッと握ってきた。
「さ、行こう、アリサ! アニマートはすぐそこだよ! それまでにアリサのこと、しっかり教えてあげる!!」
「私はアリサじゃない!」