第11章 眠りネズミルート①
【選択肢】
→①祢津と一緒に寝る
②祢津と一緒に寝ない
* * *
笑顔で誘ってくる彼の顔を見ていると、何となく断りづらい。
変なことするヤツじゃないことは知っているし、別にいいか。
私は祢津の誘いを断ることができず、おずおずとベッドに近づいた。
「うん。さぁ、入って。アリサだけは特別だよ」
「だから違うってば……もう……」
そう言いながらも、私は彼のベッドへ入った。
二人分の温もりで、ベッドの中が温かくなっていく。
すると祢津は、毛布の中で私の腰に腕を回し、私を引き寄せてきた。
「ちょっと……っ」
びっくりして悲鳴を上げると、彼は不思議そうな顔をする。
「おやすみ、アリサ」
そう言って祢津は目を閉じた。数秒も経たないうちに、彼は規則正しい寝息を立て始める。
もう昼なのに空腹はどこかへ行き、何かを食べる気は失せてしまっていた。
あまりに近い距離に、心臓がうるさく鳴る。
「いい加減、名前を覚えなさいよ、バカ」
私は軽い恨みを込めてそう言うと、無理やり目を閉じた。
* * *
空腹と寝苦しさで目が覚めた。
どれだけ寝ていただろうか。
窓の外を見ようとしたが、祢津の身体が邪魔で見えない。
私はどうにか祢津の腕から脱出し、身体を起こして保健室の時計を確認する。
ベッドに入ってから二時間は経過しているようだ。
私はベッドから降りて、祢津の身体を揺する。
「祢津、そろそろ起きなさい」
「えぇ~、ヤダ……」
「お腹空いてないの?」
「お腹は空いてるけど……起きたくない」
イラっとした。
このまま放っておこうか。
【選択肢】
(1)放っておく…32ページ
(2)放っておかない…34ページ