第5章 保健室のネズミ(眠りネズミルート)
【選択肢】
♡中庭
→♠︎保健室
♢屋上
♣︎教室へ戻る
* * *
お昼ご飯を食べるにはまだ早い時間だ。
それなら、ベッドのある保健室でもう少し寝て、ちょうどいい時間にお昼ご飯を食べよう。
行き先を決めると、空腹より眠気の方が勝ってきた。
* * *
廊下を歩いていると、保健室へ近づくごとに、何か話し声が聞こえてきた。
うっすらと開いた保健室のドアから中を覗く。
話しているのは、養護教諭と男子生徒だ。
「何でお前はここで寝るんだ!」
「やだなぁ、先生。眠いからに決まってるじゃないですか」
そりゃそうだ……と納得しそうになったが、それが間違いであることに気づいた。
保健室は具合の悪い生徒が身体を休めるための場所であって、決して眠いから寝る場所ではないのだ。
私も眠いから来たのだけど……別にいいよね。ベッド空いてるみたいだし。
「眠いなら早く寝るんだ。保健室に来て寝るんじゃない。具合が悪いわけじゃないなら、授業に戻りなさい!」
「先生、オレ、ちゃんと具合悪いです、病人です。夕べは『魔法少女ミラクル☆アリサ』見て、その後に、『私立ことほぎ学園 *初恋*』をやってたから、三時間しか寝てないもん」
三時間しか寝てないもん。
それだけ聞けば「えぇ!?」となるが、騙されてはいけない。
ただ単に、自分都合で寝ていないだけなのだ。