第3章 アリスの日常
去年の高校一年生のシロの誕生日に、私は彼女から「つき合ってほしい」と告白された。
もちろん断ったのだが、「どうしても好き。あたし、ありすちゃんと結婚したい」と言われたので……
『私もシロのこと好きだよ。でも、私たちは女同士だから結婚できないの。だから、結婚は来世でしよう』
と、言ってどうにか納得してもらった。
だが、今度は「代わりにキスして」と誕生日プレゼントとしてせがまれたので、彼女には私のファーストキスで我慢してもらったのだった。
シロとキスをしたのはその一度だけ。
そういう約束である。
たった一度のキスで気持ちに踏ん切りがつくのならば安いモノである。
当然、見ず知らずの人間が相手だったならそんなことはしなかったが、相手はシロだ。
このことで彼女との友情を失うのはやはり悲しい。
「アリスちゃん、次は体育だよ?」
「うーん……次はパス」
「えっ?」
あからさまにガッカリと顔に書いてあった。
体育では二人一組をよく組まされるから、当然の反応かもしれない。
「少しお腹が空いたし、ちょっと面倒だから」
身体を動かすことが嫌いでいなわけではないが、授業の体育は自由にできないからあまり好きではない。
「そんなぁ……」
じゃあね、とシロに手を振って、私は教室を後に出た。
「お昼前に体育とか、やってられないわ」
さて、どうしようか……。
【選択肢】
♡中庭(チェシャ猫ルート確定)…11ページ
♠︎保健室(眠りネズミルート確定)…14ページ
♢屋上(帽子屋ルート確定)…17ページ
♣︎教室へ戻る(ノーマルEND)…ページ