第8章 わたしの休日
沖矢「では、また来ますね」
結局本は買わず帰ってしまった。本を物色する様子もなかったし、沖矢さんは何をしたかったのだろうか。わたしに会うため?いやいや考えすぎか。
そんなことを考えているうちに日が暮れてきたので、店を閉めることに。1日に来るお客さんの人数は限られているが、忙し過ぎず暇過ぎずのこのバイトを気に入っていた。
そしてわたしはある決断をすることに。
それは、レストランでのバイトを辞めることだ。
本屋のバイトは中々時給が良いため、掛け持ちせず本屋1本でやっていく方が心身共に楽であった。そうと決まれば行動は早く、店長に話し正式にバイトを辞めた。
その日の夜──────
ピンポーン
『ん?誰だろう…』
ガチャッ…
安室「こんばんは、松原さん」