第8章 わたしの休日
お家訪問当日────────
沖矢「おはようございます、松原さん。」
沖矢さんは約束した時間通りに真っ赤なスバル360に乗って現れた。
『おはようございます、沖矢さん。わざわざお迎えありがとうございます!』
沖矢「お気になさらず、さぁ行きましょうか。」
『はい!』
うわあ、どうしよ、あの工藤邸に足を踏み入れることが出来るなんて…写真撮ろう。持ってきた一眼レフで写真撮ろう。匂いとかもう全部を覚えて帰ろう。
沖矢「着きましたよ。」
おお、もう着いたのか。あ、ドア開けてくれるんですね、さすが紳士。
『お、お邪魔します…わぁ!凄い…感動…』
初めて足を踏み入れた工藤邸は、クラシックで落ち着いた雰囲気のまさに"洋館"で、本当に、広い!!!
沖矢「そんなに喜んでもらえるとは、誘った甲斐がありますね。」
『いや、本当にありがとうございます!』
興奮冷めやらぬわたしを優しく案内してくれる昴さん。
だだっ広いキッチンやリビング、ダイニングを拝見し、そして書斎へと案内された。
『すっっっごい…!』
ドーム型の書斎は天井は吹き抜けになっていて本が壁に沿うように収納されている。ここは本当に書斎か?図書館じゃなく?と疑いたくなるほどの立派な造りだ。
沖矢「この書斎は私のお気に入りの場所なんです。お酒も良く進みますよ。」
本とお酒…合うのかな?まだお酒を余り飲まないわたしからすれば未知の世界だ。
この書斎に来たからには、見ておきたい場所があった。それは────