第12章 秀徳戦後
緑間「・・・顔を上げるのだよ。」
ゆっくりと顔をあげ、真太郎の顔を見る。
ほんの少しだけ、優しい顔になっていた・・・と思う。
緑間「・・・お前が、あの時の試合を最低な行為と思ったのなら仕方ない。それでも俺は、人事を尽くすのみだ。」
だから、謝る必要などない。
そう言ってくれた。
『・・・うん。でも、それでも、やっぱりケンカしたままは嫌なの。・・・だから、あのね・・・
仲直り、してくれる?』
仲直りなんて、子供っぽいとあきれられるだろうか。
それとも、もう慣れあう気はないと、断られるだろうか。
少しの間の沈黙、私は真太郎の言葉を待った。
緑間「・・・俺は、お前とこうやって話すのは・・・嫌いじゃなかったのだよ。」
『っ!?じゃあ、仲直り・・・?』
緑間「・・・あぁ。」
小さくて、短い言葉だったけど、私はすごく嬉しかった。
『よ、よかったーーーーーっ泣』
今までこらえていた涙が、ポロポロとこぼれてくる。
緑間「な、なぜ泣くのだよ!?」
『だ、だっでぇーーーー、どまらないんだもん!!」
止めようとしても、なかなか止まらない涙に、私も真太郎も困った。
緑間「っ、いい加減泣き止め、""。」
『っ!!?~~~~っ、うん!』
久しぶりに名前を呼ばれた。
それはなんだか、くすぐったくて、嬉しかった。