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【黒子のバスケ】キセキと私。

第12章 秀徳戦後


『よかった。口をきいてくれて。』


苦笑いをいれながら、そう話しかける。
少し歩いた先に公園があり、そこで話すことになった。

でも、本人を目の前にすると、上手く声に出せないでいる。

真太郎は私が言葉を出すまで、じっと待っていてくれる。
でも、なかなか言葉がでない。


『(どうしよ・・・。)えっと・・・。』


緑間「・・・名前、」


『・・・えっ?』


緑間「オレの名前、呼んでくれるのだな。あの頃のように。」


『・・・うん。』


緑間「お前は、オレとはもうバスケがしたくないと・・・もう話したくないと言った。」


『っ!!・・・うん。』


私は肯定しかできない。
だって、真実だから。


緑間「・・・今日、お前の姿を見ていた。あの頃と・・・何も変わっていなかった。」


変わっていない・・・。
それは、皆に、バスケに絶望する前の私のことだろう。


緑間「火神が一人で突っ走っていったとき、お前はあいつに怒っていた。・・・バスケをなめるなと。」


『・・・うん。怒ってたね。』


真太郎は、あの頃の私と変わっていないといってくれた。
・・・今なら、言える。


『あ、あのね、私はバスケが好き。大好き。』


緑間「・・・あぁ、見ていればわかる。」


『だからね、仲間のことを考えずに一人でやるバスケなんて、バスケじゃないと思ってたし、今も思ってる。・・・あの時も、真太郎はバスケをするのはあたりまえ、ただ人の力を借りず自分だけのバスケをしていた。それは、皆に言えたことだけど。』


緑間「・・・・」


『でも、今日の試合を見て、間違ってたって思った。あんなに上手くなって、強くなっていて・・・バスケが好きじゃなきゃ、なれないことだもの。』


そう言って、頭をバッと下げた。


緑間「っ!?」


『ごめんなさい!!ひどいこと言って・・・。確かにあの時みんなのしたことは許せない。でも、私がもっと皆を止めればよかった。なのに、一人で逃げて・・・。ごめんなさい。』


涙が出そうになるのを必死にこらえた。

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