第12章 秀徳戦後
私は急いで外へ出た。
少し先には、自転車を押す人と、その隣に歩く人影が。
高尾「・・・?あ・・・、真ちゃん。」
高尾君が私に気づき、後ろを見るよう促す。
緑間「なんなのだよ。・・・!?」
二人は立ち止まってくれた。
私は、少し駆け足で二人のもとへと行く。
『・・・真太郎と、話がしたい。』
緑間「っ!!?」
一瞬驚いた顔をするが、すぐにまたいつもの少し怖い顔に戻る。
そして、何も言ってくれない。
やれやれといった様子で、高尾君が真太郎の背中をボスっと押した。
緑間「なっ!?」
高尾「ったく、素直になりゃいーのに。じゃ、オレは先に帰るわ。」
そう言ってヒラヒラと手を振りながら、前を歩いていく。
緑間「っ高尾!!」
高尾「おっと、ちゃん!!」
真太郎の声を無視し、私の名前を呼ぶ。
そして、ニコッと笑う。
高尾「今度はオレともお喋りしよーなっ。」
そう言って満足げに笑いながら、今度こそ私たちを残して歩いていってしまった。
「『・・・・。』」
気まずい空気が流れる。
緑間「まったく、余計なお世話なのだよ。・・・、とりあえず、場所を移すのだよ。」
『っ!!うん!』
そう言って、私と真太郎は2人、ゆっくりとその場を後にした。