第11章 秀徳戦
その後、誰にも止められない真太郎のシュートは続き、点差がひらいたまま第2クオーターは終わった。
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誠凛の控え室には、重い空気が流れていた。
誰も喋ろうとしない。否、誰も何も言うことができないのだ。
リコ先輩が何か空回りな発言をしようとしたけど、日向先輩によって止められた。
『テツヤ、何見てるの?』
黒子「前半ビデオを撮ってくれてたそうなので、高尾君を。」
伊月「っ!何か勝算あるのか?」
黒子「え、さぁ?」
その言葉に、は?と冷や汗をかく先輩。
黒子「勝ちたい。とは考えます・・・けど、勝てるかどうか。とは考えたことないです。」
『・・・・。』
黒子「とゆーか、もし100点差で負けたとしても、残り一秒で隕石が相手ベンチを直撃するかもしれないじゃないですか。」
とにかく、自分の出来ることを全てやりたい。とテツヤは言った。
日向「・・・いや、落ちねーよ!!!」
小金井「ってか、すごいなその発想!!」
テツヤの言葉によって、場の空気が和む。
『ふっ、あははっ!!!テツヤ、ほんとあんたって人は。』
黒子「??さん?」
私が突然笑ったから、テツヤも他の皆もビックリしている。
『ごめん、笑ったりなんかして。・・・テツヤの言うとおり、最後の最後まで、勝つことをあきらめたらダメ。絶対に。』
日向「(・・・真剣な目。)・・・あぁ、とにかく最後まで走って、結果は出てから考えりゃいーか!!」
日向先輩の掛け声とともに、私たちはコートへと向かった。