第5章 黄瀬 涼太
抱きしめられてから5分程度すぎたけど、いっこうに離してくれる気配がない。
『・・・そろそろ離そうか?』
黄瀬「いやッス!!」
『はぁー!?』
めそめそと涙を浮かべながらまたギュっと力を入れてくる。
そりゃ、ふつーの女の子がされたらもう死んじゃうレベルでしょーけど・・・。
って、ん??
これは、ヤバイんじゃっ
『離してっ!!!!』ドスッ
黄瀬「い、痛いっス~~泣」
いつまでも抱きしめてるほうが悪いんだって言ってやれば、だって~とまた涙を浮かべている。
今まで人が通らなかったからよかったものの、もし涼太のファンの子がこの場面を見ていたら・・・
確実に私の命はなかったょ。
黄瀬「っはは。」
『な、何さいきなり笑って・・・。』
私が殴ったから、おかしくなっちゃったかのか・・・?
黄瀬「いやっ、なんか懐かしくって。」
『懐かしい・・・か。』
そーいえば、さっきまですごく緊張してたのに、いつのまにか今までの壁がなくなっていた。
最初はすごく不安だったけど、やっぱり涼太は涼太だった。