第5章 黄瀬 涼太
なにも言わず、門の近くのあるベンチに座った。
『・・・まず、久しぶり。』
何から言えばいいのかわからず、とりあえず挨拶をした。
”あの時”から、こうやって二人で話すことはなくなっていて、本当に久しぶりなのだ。
『・・・えと、元気にしてた?』
関係ない言葉ばかり出てくる。
さっきの1on1を見ていれば元気なことくらいわかってるのに・・・。
黄瀬「・・・・っち。」
聞こえるか聞こえないかぐらいの声で、自分の名前が呼ばれた気がした。
やっぱり怒っているのかもしれない。
ひどいことをいっぱい言ってしまったから。
『あのっ、本当にあの時はひどいこと言ってゴメっ・・・』ギュっ
んっ!?!?
私は今、涼太に抱きしめられている!?
黄瀬「・・・よかったっス!!っちとまた、こうやって話せて!嬉しいっス!!!!」
そう言って、半泣き状態の涼太を見て、安心する自分がいた。