第7章 再会
さくらと佐助、二人は驚いた表情でお互いを見て固まっている。
側から見ると見つめ合っているようにしか見えないが、決してそんな素敵なものではない。
さくらの探し人は目の前にいる佐助なのだが、まさかここで会うなんて思ってもおらず、それは佐助も同様だった。
二人が発した言葉に、広間は静まり返っていたが、舞が口を開く。
「えっと…佐助くんとさくらちゃんって知り合い?」
「あ…まあ、知り合いというかなんと言うか…まさかここで会えるなんて思ってもみなかった」
佐助は舞の問いかけに答えているようで答えていない。
そんな彼を見て、信玄はニヤニヤと笑いながら口を開く。
「まさか佐助と姫君が知り合いとは思わなかった。お前も隅に置けないな。幸、負けてられないぞ?」
「はぁ?!何言ってんですか、信玄様は黙ってて下さい」
「あの佐助が女性を呼び捨てに、それに姫君も佐助を呼び捨てときた。二人の関係がとても気になるんだけどなぁ」
信玄の言葉に家康がピクリと反応する。
確かに先程お互い呼び捨てだった。以前、自分が呼び捨てで構わないと言ったのに対し、男性を呼び捨てにはできないと断られたのを覚えている。
しかし、さくらは佐助を呼び捨てにしていた。何となくそれが家康は面白くなかった。
「あんたら、付き合ってるの?」
誰もが思ったであろう疑問を投げかける。
もし「そうだ」と頷かれたらどうしようと思うも、聞かずにはいられないし、家康が聞かなくても、政宗や秀吉あたりが聞いていただろう。
家康の言葉に周りのみんなが反応し、その中心人物である二人は「え?」と全く同じ動作をする。
それもそれで面白くなくて、無意識に膝の上で握り拳を作っていた。
「私と佐助が付き合ってる?」
お互いに顔を見合わせ、そして首を振る。
「「天と地がひっくり返ってもそれはないです」」
二人同時に同じ返答をする。息ピッタリだ。
二人の返答に家康は安堵の息を吐くが、じゃあ二人はどう言った関係なんだと余計に気になる。
「して、二人の関係は?」
痺れを切らした信長が、上座から鋭い目で問いかける。それに対し、口を開いたのは佐助の方だった。
「俺たちは兄妹…正確には二卵性双生児…双子です」
双子ぉ?!と広間中に今までにない大きな声が響き、誰もが驚いた表情をしていた。