第19章 努力は一番の華を産む
「ねぇ…?なんで、君は天才なのに努力するの?それじゃ、僕が頑張っても勝てないじゃん……」
ジミンの言葉に、彼女は悲しげに笑う。
「私は…天才じゃないですよ…」
「え?」
「私は天才なのではなく、歌と踊りしか無かったんですよ………」
「無くないだろ?それが天才なんじゃないか!」
「違います………褒めて貰えるかもしれない…希望だっただけです。」
「褒めて…貰えるよう、必死に毎日、独学しました。だって、この2つが唯一、幼かった頃に褒めて貰ったものだったから」
彼女は閉じ込められる前から、
父と母が唯一褒めてくれた事のある思い出の為に、ひたすら、踊り、歌い続けたんだ。
あの暗い…地下室で、
「だから、私は………今、サランとして、音楽を出来るのが、嬉しいから、
天才じゃなくて、それしか、知らないから、努力します……皆さんの知ってる音楽を伝えられるように……感謝出来るように」
彼女の笑顔があまりにも儚く、ジミンは彼女から目をそらした。