第17章 秘蔵メンバーと時の人
テヒョンが来てから数日が過ぎたが、
彼女は全然戻って来ない。
現在、彼女は世界ツアーらしく、
世界に独りで行ってるらしい……
人が苦手であっても、彼女は世界の多くの人に歌を届ける時の人で、
中々会えないテヒョンは不貞腐れながら隣にいるナムジュンに言った。
「ヒョン……サランはいつ帰ってくるの?俺、早くサランと練習したいです…」
テヒョンは持ち前の明るさと人懐こさで、直ぐに彼等に打ち解けた。
だけど、彼等の第一条件である。彼女にはあっていない……
だから不安も募る一方で、ナムジュンは彼に空を見上げながら、微笑んだ。
「テヒョン…不貞腐れるなよ……あの子は今も世界で独りなんだ……だから、俺達も頑張ろう…あの子の場所に行くために。」
彼等は皆それを口にするが、彼は、
でも、
彼女との練習に意味があると思っていた。
誰よりも綺麗で美しく踊る彼女の踊りを見たかったのだ。
が、彼女は時の人、ましてや、自分は非公開で名すら世に出ていない者……
肩を並べるのなんて、おこがましく感じる。
やっぱり、隣に行かなきゃダメなのかな?
……俺、大丈夫かな?切られないかな?
顔出ししていない不安げなテヒョンは下を向いた。
すると、ナムジュンが一瞬考えて、
こう提案する。
「あまり、暗くなるなよ……そうだ…気晴らしにアイスでも、食べよう。」