第15章 ファンウサギ
次に宿舎に来たのは、あの子と同い年の少年だった。
が、彼は人見知りのようで、でも、才能は凄いらしくメンバーとして、決まったのも、多分早い方である。
しかし、練習中も宿舎でも、全く彼は会話しないし、彼等を避け続けていた。…
兄達は話し合う。
「なぁ、あいつ、全然話さないな……」
「ありゃ、サユ並の人見知りさんだね…」
「嫌、サユは喋ろうとはしてくれるけどねぇ?まぁ、きっと同じような感じなんだよ……」
そう話すジン、ホソク、ナムジュンは、ベッドにすぐ入って行った少年に思う。
でも、ユンギだけは、彼を見て違う事を口にした。
「大丈夫だろ?多分、あいつはその内慣れますよ……
……それに、あいつ、入って来た時、サユが嬉しそうだったから。」
「え?サユの知り合いなの?てか、なんでユンギ知ってんの?」
「ヒョン……俺、あいつと曲作ってるから、」
ユンギはそうソクジンにどや顔をし、
ソクジンはそれにムカつき、そっぽ向く。
「なんだよ〜!また、独り占め?僕らは練習でしか会えてないのに〜
でも、あいつ、知り合いだったんだ
。なら、もっとサユと話してくれればいいのに!」
兄達は思う。同い年の友達が彼女にはいないから、仲良くなって欲しいと、、…
まぁ、人見知り通しだ。
最初から上手くいくとは、考えてはいない……
「知り合いというか、多分、あいつサユの熱烈なファンですね……、」
「え?」
「ベッドにサユのグッズありましたし、」
そして新しい彼は彼女のファンだった。