第8章 暗がりと彼女
何処だ?何処にいる?
2人は探した。他のスタッフにも頼み、みんなで彼女を探す。
すると、ある部屋で声が聴こえた。
「怖いよ……助けてっ…開けてっ」
「ナムジュン聞こえたか?」
「はい……ここからですね…」
ドンドン扉を叩き、2人は中の人物に声をかける。
「サユ!!いるのか?」
「っ…誰?」
弱々しかった。
その声に2人は顔を見合わせる。
「今!助けてやるからな!!」
そう扉をこじ開けた。
中には、中心で体を震わす彼女がいた。
「大丈夫か?」
「サユ?今、きたよ。」
彼女は泣いていた。2人には初めて見る光景だった。
何時も、笑って誤魔化す彼女が年相応に泣いている。
様子がおかしい……それに彼女は2人の声に耳を貸すことなくその耳を抑えた。
『っ…ごめんなさい…お願いいい子にするから、ごめんなさいっ……出して、』
日本語で謝り続ける
その姿に2人は彼女を同時に抱き寄せた。
「大丈夫…お前はもう大丈夫だ」
「サユ……誰も君をもう傷つけないよ…俺達は君を迎えに来たんだ」