第8章 暗がりと彼女
あいつが何をした?
今日、ファンの為に歌いに来ただけのあいつがむかつく?
それを聞くと居てもたってもいられず、女の進路を塞ぐ2人、
「おい……待てよ、」
「うん?何って、あんたら…
あいつの所のダンサーじゃん!
ねぇねぇあの子って日本人なのに、生意気だと、思わないの?若いし、調子乗りすぎだってさ!あんたらも思ってるでしょ?」
笑う女は実に単能な質問をするが、
2人の答えは同じだった。
「あいつは今、何処にいんだよ俺達はそれ以外興味ねぇ…」
「ええ、ユンギヒョンの言う通り、あの子を何処にやったの?」
「はあ?あ〜今頃暗くて泣いてるんじゃん?まだ、餓鬼だし〜」
「確かに、だとしたら最高なんだけどなあ?」
話を続ける女達、
女達の態度に
2人は怒りが溢れガツンと
壁を叩く。
ふざけるな
「早く言えよ…聞いてねえんだわお前らの話なんか……」
「な、何よ?あんたら正気?」
「正気?俺達2人はあなた方が彼女にしたことを聞いているだけですよ?」
ナムジュンの問いに押し黙る女、
「正気はどっちだ。お前らだろ、あいつは努力家なだけだよ…何を言われたって、しょうがねえって、笑うだけで、本当に……なのに、お前ら、
あいつは何もしてねえだろが!!」
「そうですね…こっちの話です。」
「何なよ!?あの子は日本人なのよ!」
「味方するの!?あなた達だって、あの子が上なの嫌でしよ?」
「だからなんだよ……あいつは国籍そのもんじゃねぇし、それに、勝手にあいつに嫉妬したお前らが理由にしたいだけだろ?」
「次は無いと思って下さい……ちゃんと法で裁きたいくらいですが、あの子は嫌がるだろうから、」
女は2人の圧に負けてか、顔を蒼くしその場に立ちすくむ。
そして、2人は冷たい瞳を向けてこう言った。
「お前えに……」
「あなた達に……」
「あいつを超えられるわけねえだろ?」
「あの子を超える事なんて出来ませんよ…」