第6章 彼女の為のモンスター
ナムジュンが入ってから彼女の練習は1人でなくなった。
でも、問題がある。
ナムジュンが中々練習について行けていない……
まぁ、当然だろう…だって、彼はラッパーを目指しているのだから、
なら、何故、彼女の後ろでダンサーからなのか、分からなかった。
彼女は疑問に思いながらも、挫けそうな彼をただ見てることしか出来ない。
理由はまぁ、彼女が警戒しているからだ。
色んな事があるから、
でも、ハアハアと息を切らし、泣きそうな彼に、彼女はちょっとだけ近づくと、何かを置く。
「ハアっ、うん?これ……」
先程買った飲み物だ。
「っ……どうぞ…」
すると、ナムジュンが呟く。
「サユさんは凄いな……俺は全然ついてけないよ……どうして、俺はラッパーなのに踊ってるんだろうな…」
ナムジュンの問いに彼女は考えるとその場に座り込んだ。
「意味があるんだと思います………アボジはきっと意味があるから、貴方にダンスを覚えさせているんじゃないでしょうか……」
「そっか……なら、これは無駄にはならないんだね……」
頑張りが認められないのは辛いこと、
彼女はそれが十分にわかっている。
だから、彼女は立ち上がると彼に瞳を向けこう言った。
「大丈夫です。今、辛く頑張った先には必ず大きな場所につけます……だから、頑張りましょう……えっと……ナムジュンさん!」
彼女に見つめられ、彼は安心したように微笑んだ。
「そう言って貰えて嬉しいよ……ありがと頑張らなきゃな……」
「はい……!」