第6章 彼女の為のモンスター
彼女の為のモンスター
彼女がダンスの練習中、
彼女のダンス講師、ソンドクが少年を連れ入って来た。
背の低い彼女にとって、その少年はあまりにも大きく見えた。
「あ!サユ、もう来てるのか!相変わらず早いな!」
だから、彼女は隣にいる少年に気づき身構える。
「それと、相変わらずの人見知りぶりだ。なあ……ファンにも、そうだけど、そろそろ克服しろって、お前のメイクのユリンが言ってたぞ……
ナムジュン気にしないでくれ、こいつがあの人気の歌姫、サランこと、パン・サユだ。で、サユ……こっちがこの前、入った新人のナムジュン……多分、お前のステージのバックダンサーからのスタートになるみたいだからよろしく!」
少年はソンドクの紹介に目の前の小さな彼女を見る。
この子があのサラン……
「あっ…えっと、よろしくね…」
手を差し出すナムジュン……
でも、彼女は手を握り返さず、警戒心丸出しで、
「っ………」
ソンドクの後ろに隠れた。
だが、
「サユ…挨拶はしなさい…」
ソンドクに怒られ、彼の手を握った。
「よっ……よろしくお願いしますっ」