第22章 ウサギの門出
兄達に伝えた次の日、
ジョングクは彼女にも伝えるべく。
彼女のいる作業室を訪れた。
彼女は最近、デビュー曲の監修のために作業室にこもってる事が多い……
ましてや、一緒に住んでいないのだ。
会える時間も少ない。
「サユ?……」
ジョングクがそう声をかければ、
彼女が眠たげな表情でこちらを向く。
「あれ?ジョングクさん?どうしたんですか?」
また、徹夜してたんだ…
「また?徹夜?」
「はい、デビュー曲とセカンド曲の大まかな作りをユンオッパとしたので、
細かい部分の調整で、今、2人して調整中なんです…」
彼女の隣に行けば、すぐ無理をする彼女を少しは止めらるだろうか、
ジョングクは彼女の頭に手を置く。
「小さいのに、頑張るね?」
「小さいは余計です……ジョングク君が大きいのです。」
彼女の事をジョングクは少しだけからかうと、
彼女の前にしゃがみこむ。
「どうしたんですか?」
「実は……」
言わなきゃ……
ジョングクは確かに彼女に自身の事を伝えようとしていた。
だが、いざとなるとそれは、酷い緊張に変わる。
言ったら、君は泣いちゃうかな……
だって一時だけだとしても、
別れるのが、嫌いな彼女にはきっと辛いだろうから、
だから、安心する言葉を話せねば
「実はね!俺、1度アメリカに留学する事が決まったんだ………」