第22章 ウサギの門出
彼等のデビュー準備は着々と進んでいく。
そんな中で練習中、ジョングクだけ、
社長室に呼び出された。
彼等は心配するが、
ジョングクが子供のように笑うので彼等は大丈夫だと、彼を信じる。
きっと大丈夫何も無いはずだ。
そして、数時間が経ち、彼が帰って来ると、何処か上の空だった。
だから、兄達は一瞬にして、彼に何かがあったのだと悟る。
「ジョングク?大丈夫か?」
リーダーになったナムジュンがそう質問すると、ジョングクは苦笑いを浮かべた。
「…あ、…ナムジュニヒョン…………実は俺、アメリカに行くみたいなんです…」
「え?………」
突然だった。彼の突然の報告に
少なからず動揺した。
「俺、やっぱり、ダンスにも歌にも、感情がないって言われて……」
「それで、アメリカか?」
「そうです。アメリカのダンススクールで学べって、」
「1人でか?」
彼は彼女と同じ15歳で、人見知りだ。
ナムジュンはだから、かなり心配する。
俺達も仲良くなるのに、時間がかかった。
ましてや、言語の壁もある。
でも、彼は清々しい表情で、ナムジュンに言った。
「はい、1人です!…………でも、俺、撮影の時サユに頑張るって言ったから、頑張って見たいんです!」
ジョングクの言葉にナムジュンは笑う。
「そうか、お前がそこまで、決まってるなら、大丈夫だね、応援するよ……けど、なんで?不安げなんだ?」
「皆さんが認めてくれるか、不安で」
ジョングクはそう肩を落とす。
そうすれば、ナムジュンが彼の肩を叩いた。
「大丈夫さ!きっと、そうだろ?みんな」
ナムジュンの声で、扉の方が一気に騒がしくなった。
「な!?ユンギが押すからバレちゃったじゃん!?」
「いや、だって、ヒョン行かねぇんだもん、っなんでわかったんだ?」
「凄いなあ!ナムジュン?」
「…、…ジョングクはアメリカいくの?僕も頑張らなきゃね…」
「ジョングクガ凄いね!!アメリカ?帰ってきたらお土産頂戴?」
騒がしい彼等にため息を吐く、彼。
が、1番聞いて欲しかった彼女はその中にはいない、
でも、彼はかなり嬉しかった。
そして、彼等とデビューするために、彼女を支えられるようになるため、
今日彼は、アメリカに行くことを決める。
「俺、行ってきますね!」
『「”あぁ、行ってらっしゃい!”」』