第21章 ユリンの見た彼等の愛
嫌、君が大丈夫かよ?
とか、思いつつ、
彼は彼女と一緒にセットのベンチに座り込んだ。
あぁ、こうして見ると、彼女はやっぱり綺麗だった。
なんか、色々、適わないなぁ、
ジミンがそう肩を落とすと彼女は下を向き呟く。
「ジミンさんっ………あのー……っオッパと呼んでもいいですか?」
「えっ……!?」
急になに?
「いや、テヒョンさんにオッパと呼んでくれって言われたので、ジミンさんも同い年だからっ……」
彼女の言葉に目を見開くジミン、
「何?僕も呼んでくれるの?」
嬉しかった。彼女に認められた気がしたから、
彼女にオッパや名前で呼んでもらえるのは、BIG HIT……では、懐かない猫が初めて懐いてくれた時のようなとても、暖かい気持ちになると……言われていた。だから、それは、彼女にとって特別な人間になれたという証拠なのだ。
ジミンはそう言った彼女に、改めて思う。
変な壁なんか、必要無かった。彼女は最初から自身の練習を見てくれていて、
だけど、負けないくらい、頑張りたいのは、本当だ
兄達から沢山君の事を聞いたよ。
だから、前にも思ったくけど、君は全然、想像した子とは違くて、
ただの普通の女の子だった。
あのね、君があの日、僕を信じてくれた時、心から泣きそうになったんだよ…
ジミンはそう思うと、顔を紅くしながら、
慌てる彼女の頭を撫でた。
「いいよ…嬉しいよ…サユ、」
仲良くなるには、まず、呼び捨てからだ。
だから素直に君に伝えるよ、
君を僕は信じる。
君がデビュー出来ると信じてくれた。
僕の努力の華を咲かせてみせるから、
そして、ジミンは彼女の肩を抱くと、
彼女の頬にキスをする。
「っ、後、僕だって男なんだからね!?」
「っ…知ってますよ…けど、不意打ちは、辞めてくださいっ」
そして、2人はそう同時に顔を逸らすのだった。