第21章 ユリンの見た彼等の愛
97カップル
ジョングクは緊張しているのか、はたまた知らない人に囲まれてるからか、
少し、萎縮しながら、彼女の隣に立つ。
でも、立ったからには、彼女との撮影は頑張りたい。
さっき、テーマは愛だと兄達から少しだけ、聞いていた。
だけど、人見知りの俺がそんな大層な事を人前で出来るはずもない。
そう彼が思っていると、彼女はジョングクの気持ちを察してか、手を握る。
「あははっ……緊張しますね……」
彼女の言葉にジョングクは彼女への愛について考えてみることにした。
彼女は憧れだった。
ファンで、ずっと彼女を追いかけ、デビューするのを夢見て、走りつづけて、
やっと、彼女の隣に来れた。
ライバルになりたくて、超えたくて、
でも、今は、違う。彼女は同い歳なのに、誰よりも、大人だった。
だけど、自身より他人を思う優しくて、弱い部分が沢山ある小さい子。
だから、俺はライバルじゃなくて、
同い歳で、兄達にも負けないくらい…
誰よりも、君を近くで感じれて、直ぐに護って上げれるよう……支えてあげられるような格好良い奴になりたい。
その為には、俺はもっと頑張るよ…
踊りも歌も完璧になるから、
そう思いジョングクは握った彼女の手を自分の方に引き寄せて、腰を抱く。
「サユ……俺、………もっと頑張るから…」
「?……はい……じゃあ、私も頑張らないとですね?…」
意味は伝わらなくてもいい、だけど、
完璧になった時、俺は君に1番に見てて欲しいんだ。
だから……待っててね……サユ……絶対に変わって見せるから、
ジョングクはそう彼女の瞼にキスをした。
「っ!?」