第3章 これから。
たなっちとけんすけは彼女と俺との関係を話してくれた。
「私とだいちさんが恋人.....」
「そうだよ、だいちくんデレデレだったからね」
なんて2人は笑っているが彼女は何故か笑わない。
「だいちさん.....本当に思い出せなくてごめんなさい。凄く.....辛いですよね。」
彼女はすごく後ろめたい表情をしている。
彼女にとって俺は全く知らない人なのに、心配をしてくれている。俺は彼女のそんなところも好きだ。
なのに、記憶をなくしたら.....俺たちの関係は.....
「あの、提案なんですが、もし記憶を無くした私でもだいちさんが好きで居てくれるなら.....
一からやり直しませんか?」
「え?」
彼女は何を言っているのだろうか。
「だいちさんやたなっち、けんすけ、他のみんなにもだいちさんの事や記憶を無くす前の私とだいちさんの間柄など、いろいろ教えてもらって、一からまたやり直す。そしたらいつかまた元に戻れるんじゃないかなって。もしだいちさんが良ければですけど.....」
彼女はバカなのか。
初対面の人に付き合ってと言ってるようなものだぞ。
でも俺は内面嬉しさで溢れている。
俺は彼女の近くに居てくいいんだと。
「俺と、.....っもう一度付き合ってくれませんか?」
彼女に二度目の告白。
「はい、喜んで。」
彼女からの二度目の返事。
全てが嬉しかった。
そして約束した。
「もう嘘はつかないでね。」
「うん。」