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【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~

第18章 ギフト


「僕はどちらかと言えば独占欲は強い方だから…それでいて、情報を求めて潜入的にポアロにお世話にもなっている。それに今回みたいに組織の中での仕事もある。それが原因で君を不安にさせるかもしれない。それはこれからも変わらずに続くと思う。体や声や、この器は僕と同じであったとしても、心は常に降谷としての物である…と、僕は自負している。」
「零…さん」
「それでもまだ雅は不安かい?」
「……不安はたくさんあるよ…でも…淋しくは無くなった…気がする」
「そうか…だとしたら…」

そう言うと手を引き奥へと連れて行く降谷。廊下の電球の明かりだけで、そのまま部屋の電気を付けずに寝室に向かうと、手を離し、ベッドに腰掛けた。

「今からはぽっかりと開いた僕の心を埋めて貰おうか…」
「…え?」
「さっきも言ったが最近の君は、風見ばかり見ていたからね…」
「そうは言っても…」

ベッドに腰掛けたまま降谷は雅の腰に腕を回す。もう片方で頬を包み込み、親指で唇をなぞる…

「気付いていない、というのは本当に厄介だな。」
「……?」
「どれだけ僕が雅に惚れているか…堕ちているか…君との、雅との距離が空けば空く程に正気じゃいられない…本当に君は…僕をどれほど弄ぶ気だ…」
「弄ぶだなんて…。。キャ!」

グイッと引っ張り、腕に抱きいれたと思いきや、ベッドにそのまま倒れ込む様にして組み敷いた降谷。上から見下ろしながらも薄暗い部屋の中で公安でも、ポアロでもない、ましてや、以前に1度だけ見た事あるバーボンとしてでもない、特別な顔を見せていた。

「それに言ったろ?帰ったら覚悟しておけと…」
「…あの…」
「解って居るな?この意味」

そう言うと唇が触れるか触れないかの距離で、降谷は続けて話した。

「僕ばかり、ズルいじゃないか…こんなに好きだなんて…」
「零さん…?」
「もっと雅も僕で埋め尽くされてしまえばいいのに…」
「何言ってるの…?」
「おかしいかい?」
「…ううん、そうじゃなくて…」

ゆっくりと、少し躊躇いがちに雅は腕を伸ばしきれいな金茶に光る髪に指を滑らした。下から見上げながらも小さく笑いかけて降谷に応える。
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