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【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~

第25章 砕かれた夢


「なぁ、成瀬?傷付けたって…」
「私…降谷さんの事…」
「いやいや、どうしたんだ?」
「だって…昨日組織の人と会って…その後何故か家まで送ってくれたんです。降谷さんがね?その時に……その…一緒に住まないかって言ってくれたんです。」
「…(あの降谷さんが…?!)…・・それで?」
「嬉しかったんです。だけど…何て返事していいか解んなくて『困る』って言っちゃって…」
「……あぁ。それでか」

その風見のひと言で雅はフッと顔を上げた。

「やっぱり…何かあったんですか?」
「昨日夜に仕事の事で電話したんだ。その時の降谷さん、珍しく少し…ほんの少しだぞ?しょんぼりしたように声が聞こえてな?いや、俺の勘違いかも知れんが…」
「やっぱり…私傷付けちゃったのかな…」
「何で『困る』って言ったんだ?」

そう問いかけてくれた風見の声は雅の、そして降谷の昨夜の電話の声等、一致が多かったための心配から来る優しいものだった。

「困るって言っても、本当に嫌で困ったわけじゃないんです。どっちかっていうと嫌じゃなくて、嬉しかった。でも…いろんなこと考えちゃって…」
「いろんな…かぁ。家とかか?」
「うん…」
「降谷さんに任せてもいいんじゃないか?」
「それなんです。任せてくれたらいいって降谷さんも言うと思う。だけど、それが…」
「なぁ、成瀬?前にも俺、言ったと思うけど…男は頼られて喜ぶ単純な生き物なんだよ。それは俺であっても、降谷さんにしても同じなんじゃないかなって思ってる。1度ちゃんと自分の気持ちを伝えてみたらどうだ?」
「自分のって…」
「嫌で『困る』って言ったんじゃないって事。たぶんお前の事だから他にもいろいろと考えてんだろうから…」

そう言うとニッと笑い風見は雅の方をポンっと叩いた。その時だ。

ヴヴーッヴヴーッ

「…っと。…・・?降谷さんからだ。」
「私も来た。」

そうして2人の会話は、その降谷からの業務連絡にて終了を告げられた。

この業務連絡がハラハラする潜入調査の始まりになるとも知らずに…




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